行政が考える、稚拙な観光振興策。

2007年01月27日/ ◎地域観光振興コンシェルジュ

 みのもんたの番組で、群馬県伊勢崎市 地図はこちら の合併記念
事業として進められている、合併特例債を財源とした高さ88メートルの
大観覧車の建設計画
を報じていた。
 昨年11月、この計画に市民約2万1000人分の反対署名が市に
提出された(伊勢崎市の人口は約21万人)にも関わらず、12月の定例会で
建設契約議案は賛成多数で可決
 ちなみにこの大観覧車は、冷暖房完備の最新型でお値段約10億円。しかも計画予定地から
約2キロ南の市営遊園地に、ご丁寧にも高さ65メートルの大観覧車が既にあるのだが、それを
撤去して、23メートル高い大観覧車をどうしても建設したいらしい


 お役所が考える「ハコモノ」の観光振興策には、とても稚拙な計画が時としてある

 そもそも、北関東最大の大観覧車「ひまわり」がある伊勢崎市華蔵寺公園遊園地は、年間
約191万人の入場者数
で、この数は長崎県佐世保市のハウステンボスの入場者数にほぼ匹敵する。
(綜合ユニコム「2007レジャーランド&レクパーク総覧」より) 
 全国20位の入場者数を誇る遊園地のシンボル的存在の大観覧車どころか、遊園地ごと現在地
地図はこちら からたった2キロ先の波志江町 地図はこちら(08年開催予定の「全国
都市緑化ぐんまフェア」
サテライト会場)に移す計画。これについて現市長は、
「なぜ華蔵寺公園では駄目かと言いますと、華蔵寺公園というのは群馬県でトップクラスの
公園だったんですね。最初に遊園地が造られたとき反対の声もありました。きれいな沼のところに
遊園地を作るのはどうかと。私が市長になる前の話なので最初はそれを知らなかったんですが、
公園と遊園地は別なものではないかということは、ずっと議論されてきました。最初は観覧車を
移そうという話だったんですが、メーカーに聞いてみましたら、動かせないということでした。
古いので今の場所で使うならあと何年か大丈夫ですが、動かしたらもうだめですと。
移転できないので、新築するということになりました」

と、伊勢崎市オフィシャルサイトの「市長コラム」でしっかり書かれている。

 ?・・・。全く論理的でないし、
建設的でないアカウント

 これが市長の計画に対するアカンウンタビリティー(説明責任)だとするならば、
伊勢崎市民は、完全にバカにされているのと同じだ

 
 結局この計画は、市民が約1万人分の署名を添えて特例債使用を認めないよう総務省に陳情し、
総務省合併推進課が、「合併市町村の一体性ある事業といえるのかどうか」として、同市に確認を
要求。同市は26日、建設延期を表明した。ただし、市長は会見で「地域活性化や20万市民の
シンボルとして必要。反対署名がなければいいということ」
と懲りずに述べ、今後も建設を推進する
考えを示した(1/26 読売新聞)。

 結局自分の金じゃないから、こういうことが言える
 財政再建団体・夕張市は「炭鉱から観光へ」と、1983年「石炭の歴史村」などのテーマパークや
スキー場を第3セクター運営の元、オープンさせたが、過大な投資や放漫な経営が累積赤字として
重くのしかかり、市の財政を圧迫
。「石炭の歴史村」も昨年11月、負債総額75億円を残し自己破産を
申請した。
 行政主導型で稚拙な観光振興策を推し進めた悲しき現実であり、そのあおりを1番受けているのが、当時の市や首長の儚き策を一瞬信じてしまった現市民である。
 別に夕張市と伊勢崎市が一緒だとは断定しない。ただ、夕張の二の舞にならないように、計画を
推進するからには、「どう夕張と違うのか」を市民に説明する責任が伴ってくる
 先のことは誰だって分からない。ただ、民間と大きく異なるのは、失敗したときの責任が、
非常にうやむやだという点
だ。
 まあ、そんなことは絶対にありえないが、市長が「皆さんからの税金を投資して行う大観覧車
事業には夢がある。但し万が一、財政を圧迫するようなことになったら、まずは、自身や親族の
財産を担保に押さえてくれ」
などと表明すれば、また市民な反応も違うだろうに。
 別に行政に「観光振興のプロ」まで求めないが、せめて「公衆・市民に奉仕するプロ」として、
市民が求める観光振興策を官民一体となって行うことが、地域にとって1番大切なことの
はずである

 観光振興策にまず「ハコモノ」ありきの考え方は、はっきり言って「企画力がありません」
宣言しているようなものだ
 21世紀はワンガリ・マータイ氏が提唱する『MOTTAINAI』をキーフレーズとした、
地域振興を図る時代だ



Posted by コンシェルジュ『J』 at 15:19│Comments(4)TrackBack(1)

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大観覧車の建設を凍結 市民反発で群馬・伊勢崎市(共同通信) - goo ニュース

当然と言えば当然の結果だねえ。市内には大型の観覧車があるらしいからねえ。維持費とかの試算はしっかりで...
当然の結果【暮らし中級、幸せ最上級。】at 2007年01月27日 16:19
この記事へのコメント
TBありがとうございました。

国でも地方でも、首長や議員や役人は責任を取りませんね。

いつも思うんですが、こういう箱モノやイベントを提案する側の人間は、
都合のいい見通しを並べるに決まっています。仕様や性能はごまかせ
ませんが、利用見込みなんて正確に予測不可能なのですから、
悪いとかではなく提案を通す為にはいい見通しを立てるのが普通です。

ある建設会社の採用のためのキャッチコピーは「地図に残る仕事」
だそうです。市長も地図に残すつもりが、汚点を残す結果にならないと
いいんですけどね。
Posted by ハマヤッチ at 2007年01月27日 16:33
TBありがとうございました. こんな計画進んじゃったら伊勢崎も夕張の二の舞です.建設会社との癒着に思えて仕方ありません.
Posted by therme at 2007年01月27日 21:50
TBありがとうございました。

>市民が約1万人分の署名を添えて特例債使用を認めないよう総務省に陳情し・・・

なるほど...総務省が自主的に「再確認要請」をしたのではなかったのですね。

それにしても、市長さん。
そんな「無茶」が通るのでしょうか。
市長の主張は私には理解できません。

「ナイル川はアメリカに流れている川」だと。地理を勉強したての子供が勘違いして言う事と同じ感覚に聞えます。

どう理解したらそんなに解釈が曲がってしまうのか・・・と。

仰るとおり、やりたければ市長を初め、賛成市議会員全員が個人保証をした後、資産も全て公開、担保に入れて、言葉通り
「命を掛けて」
望んで頂きたいと感じる一奈良県民でありまする。
Posted by 生きる at 2007年01月28日 11:18
TBありがとうございました。
行政の観光振興策も、いい加減な物があるのですが
再開発もいい加減な物があります。
説明責任どころか、隠し続けて、議会与党もこれを推進し、
住民投票の直接請求が、人口14万のところで、1万7千を超える有効署名が提出されたにもかかわらず、
再開発は、民間の事業だから 住民投票はなじまないと、否決する議会
賛否は同数だったのに
本当に、議会が、市民に対するその責任を果たしていない
議会の一員として、情けないです

伊勢崎市のことをTVで見て、
また計画が断念されたことを 喜んでいます
Posted by 福田かづこ at 2007年01月30日 11:51