小樽の観光振興。

2007年02月04日/ ◎地域観光振興コンシェルジュ

 大型商業施設「マイカル小樽」(現ウイングベイ小樽)がオープンした99年度をピークに大幅な減少を
続けていた小樽市の観光客の入り込み数が回復傾向にある。05年度の入り込みは前年度比
2万人増の756万人。世界遺産に指定された知床地域や人気の旭山動物園のある旭川市などを除き、
北海道内各地の観光客数が減る中、かなりの健闘と言える。下げ止まりの秘密は冬の観光客を
増やそうと、市民らが知恵を出し合って生まれた「仕掛け」にある
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■市民が主体的に
 小樽市色内の市役所分庁舎に昨年12月以降、市民
ボランティアが常時20人集まり、ガラスの浮き球に縄を
掛けたり、キャンドルを入れるろう製の器を作ったりしている。
小樽運河などをメーン会場に市内30カ所以上で約15万本の
キャンドルを街にともす第9回「小樽雪あかりの路」(2月9日
~18日)で観光客をもてなすためだ。
 イベントは99年、市内の事業者らで作る「小樽観光誘致
促進協議会」
(会員79団体)が冬場の観光客誘致を狙って
始めた。仕掛け人の一人の山口保さん(59)は「昔、北欧で見た雪上にともしたろうそくがすごく
幻想的だった。これは小樽にぴったりだなと。単なるイベントではなく、今や小樽の冬の文化に
なりつつある」
と語る。期間中は延べ約1600人のボランティアが雪中にろうそくを立てたり、会場を
巡回して点火をする。
 イベントに参加したボランティア約20人が集まり、01年に「小樽おもてなしボランティアの会」が発足。土日を中心に運河周辺を歩き、観光客に無料で建物の由来やゆかりの人物の紹介なども行っており、
小樽観光振興に一役買っている。

■目玉なくても
 小樽の観光客は現在の運河沿いの散策路が整備された86年以降、年10%前後のペースで増加。
86年度に273万人だった入り込み数は98年度に665万人にまで膨らんだ。99年度には築港地区に
マイカルがオープンし、一挙に972万人に増加した。しかし、その後はマイカル効果も薄れて漸減し、
04年度は754万人まで落ち込んだ
 一方、05年度の「小樽雪あかりの路」の入り込み数は前年度4万4000人増50万5000人
同年度の小樽市の入り込み数は増加に転じており、「雪あかりの路」効果が数字の上でも読み取れる。
 市観光振興室の長瀬幸一室長は「気候のいい夏場は北海道全体として人が集まるため、
安定的に人が来る。冬場はスキー客も減少傾向にあり、客足が遠のいていた。雪あかりの路は
これといった目玉はないが、工夫次第で観光客は来てくれることを証明した」
と話す。

■中心街に足運ばず
 市の調査によると、小樽に来る観光客の目的は「運河と歴史景観」「食べ物」「ガラス・オルゴール」62・3%を占める。これらは運河周辺の南北約1キロの一帯に集中しており、約500メートル西側に
位置する中心市街地の商店街に足を運ぶ観光客は少ない。運河近くで13年前からアイスクリーム店を
経営する今野巳樹彦さん(53)は「商店街の人たちも巻き込んでアイデアを出し合っていかないと、
運河だけでは限界がある」
と連携の必要性を強調する。
 明治時代から市中心部で営業する染物店の6代目、伊藤一郎さん(62)は「JR小樽駅は商店街側にある。観光客のJR利用が増えれば、商店街を通って運河まで行くことになる。歩いて楽しい
コースをこちらから提案しないといけない」
と話す。伊藤さんは地元の歴史を調べ、石川啄木や石原
裕次郎などゆかりのある人物の写真や手書きのエピソードを加えた地図作製などを行っており、
「小樽には埋もれているものが多すぎる。商店街のメリットとなるような新しい名物を
掘り起こさないとだめだ」
と訴える。

■知床・旭川は好調、広がる地域格差
 道観光のくにづくり推進局の調査によると、道内全体の観光客は毎年1億4000万人前後
なっている。世界自然遺産に登録された知床(斜里町、羅臼町)は05年度、約244万人(前年度比約
16万人増)が訪れた。旭山動物園ブームに沸いた旭川市は約564万人(同約139万人増)。06年度
上期(4~9月)は既に04年度の総数を上回る約436万人と、勢いは止まりそうにない。
 一方、道南の中核都市・函館市。05年度は前年度比約22万人減の約484万人となり、観光客数
全道3位の座を旭川に明け渡した
。06年4月に新五稜郭タワーがオープンした影響で、06年度
上期は約4万5000人増と持ち直したものの起爆剤とはなっていない。
 同局は「インターネットで情報収集や宿泊予約ができ、団体旅行に参加する必要がなくなって
きているのも、地域格差が広がる要因の一つ」
とみている。(1/28 毎日新聞 和田浩幸記者)

 『小樽雪あかりの路』は、「市役所職員が手作りで始めたイベントが北海道の冬の風物詩にまで
成長。景観保存から通年観光への努力と継続性、市民ボランティアと観光客との交流、外国人
ボランティアの参加など官民をあげてますます拡大している」
高く評価され、地域固有の魅力を
創出し、活性化に長年取り組む組織・団体の事例に贈られる第2回「JTB交流文化賞」最優秀賞
選ばれた。
 
 先日、とあるホテルグループのマーケティング担当者と何がホテルブランディングに必要なのかと
いった際、「○○だけじゃない!○○ホテルグループ!」的なマインド・アイデンディティは
シンプルなんだけどすごい重要なファクターだ、という話になった。勿論、地域観光振興にも言える。
 カトリーヌちゃんの「だけじゃない!テイジン」
 「運河だけじゃない!」魅力を新たに見事に創出した小樽

 「行政が考える、稚拙な観光振興策」として群馬県伊勢崎市の大観覧車建設計画を書いたが、
「ハコモノ」がなくても、ちゃんと観光振興を図ることができるってことを、小樽市は
証明してくれている



Posted by コンシェルジュ『J』 at 20:36│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
こんにちは。トラックバックありがとうです。市議や市職員のコメントが出てきますが、小樽にいらして独自取材なさったのですか。
Posted by 小樽・さとし at 2007年02月05日 20:41