地域ブログ構築と県内地域間関係への配慮。

コンシェルジュ『J』

2007年01月19日 22:52

 17日の日本経済新聞(長野経済)、18日の信濃毎日
新聞
に、LLP(有限責任事業組合)ロングフィールドが、
2月にブログポータルASPサービス『CLOG』で構築する、
長野地域ブログ「ながのBLOG(仮称)」のことが
掲載されている。
 中心メンバーである森田舞さんは、私と同じ団塊ジュニア
世代。是非頑張ってほしい。
 ただ個人的には、長野地域ブログ構築のニュースには、
大きな期待と一抹の危惧を感じている


 長野県は何度も行く機会があったが、実に不思議な土地。
 元々長野県は、北信(長野市など)、東信(上田市など)、
中信(松本市・諏訪市など)、南信(飯田市など)の4地区に
わかれており
、北信・東信は、北陸や高崎との交流関係が深いのに対して、中信・南信は、山梨や浜松、
名古屋との関係が深いとされる。交通体系や地理的性質で、実質的に大きく二分しているのだ
 それもそのはずである。松本は、1871年の廃藩置県で松本県の県庁所在地になった。さらに同年、
伊那県、高島県、高遠県、飯田県、高山県と名古屋県の一部を吸収して筑摩県が成立。筑摩県庁も
松本に置かれたが、1876年6月、筑摩県庁が焼失すると、不幸にも同年8月、中信・南信地区が
長野県に編入されてしまった

 9番目の官立旧制松本高等学校(後の信州大学)や日本銀行松本支店は、県都・長野市に
対抗して、ないものを誘致した松本の意地(?)の結晶
である。
 1948年、長野県庁別館の火事を機に、再び長野VS松本の県庁の分割運動に発展。
長野県議会で大混乱の中、採決中に突如傍聴席から県歌『信濃の国』の大合唱がわき起こり、
これが機縁となって採決は延期されたという、実に変わった逸話も残っている。
 近年でも、やまびこ国体が松本、そして冬季オリンピックが長野をメイン会場として開催されたが、
国体開催時、「松本がメインなら長野は協力しない」と長野側がダダをこね、危うく国体自体が
中止になりそうになったし、オリンピック開催時は、中・南信はほとんど盛り上がらなかったなど、
根深いしこりが長野・松本両者の間に残っている

 それが、長野県である

 私は長野の隣県・岐阜県出身だが、岐阜の場合も、美濃飛騨の大きく二分され、美濃は名古屋
文化圏、飛騨は北陸文化圏という長野と同じ、内陸県特有の地理的性質を持つが、長野のような
県内地域間対立はない


 私の一抹の危惧は、これを指している。つまり、現段階として「長野県の地域ブログポータル」として
スタートするのか、北信・東信を中心とした長野~軽井沢のいわゆる「長野新幹線ラインの
地域ポータル」
としてスモールスタートするのか、新聞記事には言及されておらず、分からない。
 小さな成功を積み重ね、大きな地域ポータルになるのはいい。しかし、最初から大きな「県民
ポータル」としてスタートし、運悪く地域間対立がポータル上で起こった際、ブロガーにとって
「居心地のいい地域ブログポータルでなくなる」ことを回避する、リスクマネジメントなり、
戦略なりが運営者側に必要
だと思うのだ。
 これが、一抹の危惧ならばいい。本当に。余計なお節介になればいい

 松本には、イー・オフィスが先行して他システムで構築している地域ブログポータル「マツアズ
ブログ」
があること、そして「マツアズブログ」が何故、松本と安曇野の地域に特化した
ブログポータルなのか?

 ブランドとなるブログ名も含めて是非熟慮を重ね、ロングフィールドの方々が、「地域ブログ
ポータル」としての早期に成功モデルを構築できる
ことを、切に願っている。
 何度も言っているが、「地域ブログ」という切り口だけでは、ブロガーや閲覧者を惹きつける
動機付けは弱い。だから「どこの地域を」「どんなキラーコンテンツで」という施策や戦略が
非常に重要になってくる。


【関連記事】「強いライバル意識 裏に歴史あり」(1/6 朝日新聞・長野版)

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