負けるな、能登。
25日に起きた
能登半島地震は、春の観光シーズンを前に観光産業に
打撃を与えた。
約30kmに渡って断崖と奇岩が織りなす、
能登地域随一の景勝地・
能登金剛。高さ35メートルの
「ヤセの断崖」(松本清張
『ゼロの焦点』の
舞台)や日本海沿岸では珍しいカルトス地形の
「関野鼻」、そして珠洲市の
見附島(通称・軍艦島)も
一部が崩落した。
能登地域の年間観光客数は、03年の
能登空港の開港で
一時800万人を越えたが、05年は
727万人と1996年の
ピーク時より11%落ち込んでいた。
また、
石川県内温泉地での宿泊客トップを誇り、
「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で
27年間連続総合部門1位の
「加賀屋」を中心に、
大規模な高級温泉街として県内シェア3割を
占めていた和倉温泉も、
ピーク時の58%の95万人と苦戦していた。
しかし、加賀屋は04年から
能登~台北路線の国際チャーター便を運航。
全宿泊客の5%にあたる年間1万5千人の台湾人観光客を集客。来年度も約50便の運航を決定し、
インバウンドの宿泊需要の底上げを図るだけでなく、今月には北陸から観光客を台湾に送る
「双方向」の運航を探るなど、
奮闘していただけに、
今回の地震は非常に痛い。
加賀屋も31日まで臨時休業に。また
「和倉米久」でも、屋上のタンクがひっくり返り、お湯が館内に
流れ込むなど、地震の影響で全旅館の3分の2にあたる、
約20軒が営業休止に追い込まれた。
朝日新聞には、
「生まれてからずっと旅館と一緒。旅館から頑張れって、言われている。温泉も
直し、1日も早くお客さんがゆっくり湯につかれるようにしたい」と、創業100年目を迎える旅館
「奥田屋」の82歳の女将のコメントが掲載されていたが、
地震に負けないで踏ん張って欲しい。
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