「Sankei WEB」に、
『“主役”狙う次世代ブログ SNSの利点備える「Vox」登場』の記事。
「開設数は868万サイトを超える大きなメディアに成長したが、それを追い越す勢いなのが、知人との
交流を目的とするSNSで、“世代交代”がささやかれる。そんな中で、情報発信と交流が可能な
次世代
ブログ「Vox(ヴォックス)」が新たに登場、今年は
「次の主流メディアの1つとなる」と注目される。
いずれSNSから利用者を奪う利用者育成型の新メディアに成長するかもしれない。
ブログは、「Web2.0」という新しい潮流の中心となった。だが、ブログは不特定多数への情報発信と
なるため、心ない反応が返ってきたり、非難が集中して“炎上”の状態を招くなど、気軽に楽しめない
部分があった。
これに対し、会員招待制のSNSが、
ブログの“弱点”を補完するメディアとして急速に利用者を
伸ばしてきた。会員以外の閲覧者から日記、名前、性別などの個人情報が見られないようにできる
機能が、安心感を与えたためだ。
しかし、
SNSも会員数が膨らむと不特定多数の閲覧に近くなり、情報漏洩が相次いだりと、
安心感が揺らぎつつある。
こうした状況に対応し、引用先をさかのぼって調べられるトラックバック機能を付けるなど、ブログの
標準ともいえる製品を生み出した米シックス・アパート社は昨年、ブログとSNSの利点を併せ持つVoxを
開発した。
Voxは、文章、写真、動画など
コンテンツごとに、友人や全員などと公開する範囲を設定できる点が最大の特徴。コメントの受付も制御可能にするなど、不特定多数への情報発信によるストレスを緩和した。
また、写真共有サイトの
Flickr、動画サイト
YouTube、電子商取引の
Amazonなどとの連携も特徴。
これまで自分で撮影した写真のみを使っていた利用者は、Flickr上にあるすべての写真やYouTube上の動画を、自分のブログ上で手軽に活用できるようになる。
「ブログは基本的に変わっていなかった。これは大きな飛躍だ」。
シックス・アパート日本法人の
関信浩代表は普及に自信を示す。
Voxが狙うのはネットの中級~初心者で、開拓の余地がある層だ。携帯電話からの利用も可能で、
それゆえ簡略な操作性を追求している。
メディアを利用した収入源も従来型のネット広告に加え、口コミ広告や企業の協賛を狙えるサービス
など複数を用意し、ブログサービスのみで収益を上げることを目指す。2月には
ライブドアも同様の
ブログサービス開始を予定しており、
利用者育成型メディアは、進化の段階を迎える。」
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個人的見解を言えば、
ブログとSNSとで、現状、あまり境目を感じない。
ブログがオープンで、
SNSがクローズド、ということ以外の違いはあるのだろうか。
記事は
「“世代交代”がささやかれる」と書いているが、要はSNSが、女性が好む
「交換日記みたい」な使い方ができるから、それがウケたというだけのことである。
ブログとSNSを対極的な違いとして
見せようとする新聞等の論調は少なくないが、正直ピンとこない。
「mixi」上では昨年末から、一部の悪意あるユーザーが、各コミュニティーの管理人の座を“乗っ取り”、コミュニティーの名前や内容が突然、以前とはまったく関係ないものに変わり、ユーザーが困惑する
事態が相次いでいる、と10日、
ITmediaニュースが報じているが、こんなことはブログの「炎上」以上の
出来事なんじゃないかとすら思ってしまう。
ただ、これも別に「SNS」が悪いのでなく、「SNS」の代表格である「mixi」が、埼玉県の人口と同じくらいの会員700万人もいて、招待される「友達の友達」がいい奴ばかりじゃなくなっただけである。
使い手の思いが、ブログの「オープン」がいいのか、SNSの「クローズド」がいいのか、
いや
「オープン」と「クローズド」も併用させたいから「次世代ブログ」なのか。
なんだか言葉だけが、ひとり歩きしているような気がしてならない。「オープン」だろうが「クローズド」
だろうが、また、片方が「取り込む」、「取り込まれる」でもなく、
お互い立派な「CGMツール」として
ブログとSNSは緩やかに融合される方向なのでは、と感じる。